彼女でなく、彼女の飼い猫と再会を果たした村上豊彦

彼女でなく、彼女の飼い猫と再会を果たした村上豊彦

例の子犬の飼い主にもう一度会えることを願いながらも、意図的に探したりせずに自然な形での再会を願う私、村上豊彦ですが、最近気になることがあります。
いつも通り、例の公園に自分の飼い猫を連れて出るのですが、その途中で妙に自分の猫が反応する場所があります。
ビーグル犬とかバセットハウンドなど嗅覚の強い犬の飼い主ならお分かりと思いますが、飼い主にとっては何でもない場所で、急に鼻を地面に付けて臭いをかぎだし、その態勢でその臭いを追跡し続ける行為をするのです。
猫は普通そういう行為をしませんが、毎日ある場所に来るとその行為を始めてなかなか先に進まないのです。
強引に先に進ませようとするとミャーと悲しそうな声をあげて諦めますが、どうやらこの辺りにこだわりがあるようなのです。
私、村上豊彦もこの辺りにくると辺りを気にしてみるようになりました。
そしてある日、再会を果たしたのです。
と言っても例の彼女ではなく、尻尾のついた彼女のほうでした。

彼女の飼い犬との再会を喜ぶ村上豊彦の飼い猫

私、村上豊彦は見ました。
先がわずかにこげ茶色になってるピンと立った特徴的な尻尾を、私の飼い猫は思わずギャーという声を上げると、例の彼女は、といっても犬の方ですが、キャンキャンと答え久しぶりと言っているようでした。
すると人影がして初老のご婦人が出て来ました。
会ったことがなかった方ですが、縁のない方ではないと直感的に感じました。
「こちらのワンちゃんって、毎朝そこの公園に散歩に来ていましたよね。
」私自身、自分の積極性に驚いていたのですが、その答えにはもっと驚きました。
「そうそう、毎朝、娘が連れて行っていたわ。
でも海外留学しちゃってね。
帰ってくるのは、3年後だわ。
」と。
そうか、海外に行ったのなら見かける訳はないのです。
村上豊彦がはまっている趣味の話
ひとまず納得する、私、村上豊彦ですが、でもやはりそういう事情を自分に話してくれてなかったというのは、それほどの関係でもなかったという証でもあり、振られた気分になる私、村上豊彦でありました。
そんな自分の気持ちを知るべくもなく、私の飼い猫は、彼女の飼い犬との再会を思い切り楽しみ、お互い飛び跳ねたり、追いかけたりそれはもう大変でした。
そんな様子をみて、私、村上豊彦は複雑な気持ちでありました。